未来を生きる子供たちのための本当に役に立つ教科書

我が子の誕生をきっかけに、未来を生きる子どもたちのため、本当に役に立つ教科書を作ることにしました

デジタルタトゥーの怖さ

要点まとめ

  • 一度インターネット上で公開された情報は絶対に消せない。
  • たった1つのデジタルタトゥーで就職も結婚も困難になり、人生が台無しになってしまう。
  • デジタルタトゥーを残さないためには、
    • そもそも危険なデータを記録・保存しないこと。
    • インターネットにむやみに投稿しないこと。やむをえず投稿する場合も、かならず十分に吟味すること。

はじめに

突然ですが問題です。以下の文章で正しいものをすべて選んでください。

  • 気心の知れた親友にだけ内密に共有した自分の画像データは、インターネットに公開されたり他人に知られることはない。
  • インターネット上で他人や他社を誹謗中傷する投稿をしても、炎上する前に即座に削除すれば人々の注目を集めることはない
  • 匿名の掲示板サービスを利用したり、匿名のアカウントを使ってさえいれば、どんな発言や画像を投稿してもバレることはない。
  • クラウド上の画像保存サービスで自分のみが利用できるようにロック設定した画像データは、自分から見せようとしない限り絶対に他人に見られることはない。
  • 偶然自分が映りこんでしまった画像がニュース記事でインターネット配信されてしまった。裁判所を通じて該当の事業者に削除申請を行えば、対象の画像をインターネット上から完全に削除できる。

さあ、一緒に考えてみましょう。

どれも一見すると正しいような、正しくないような?

合っていても間違っても何もありませんので、気軽に選んでみてください。

さて、そろそろ答えが出ましたか?

それでは、答え合わせをしましょう!

A:正しい文章はありません。すべて誤りです!

見事正解した方、おめでとうございます。すでに素晴らしい知識をお持ちですね!

間違ってしまった方も安心してください。気を落とさずに、これから一緒に正しい知識を学んでいきましょう!

まずは問題の解説をしておきましょう。

気心の知れた親友にだけ内密に共有した自分の画像データは、インターネットに公開されたり他人に知られることはない。

データ共有した相手(この問題の場合は親友)が、インターネットに公開したり第三者にデータを渡してしまう可能性があります。
もちろん、今は秘密を守ってくれるかもしれません。
しかし、10年後や20年後、あるいは一生ずっと秘密を守り続けてくれる保証はありません。

 

インターネット上で他人や他社を誹謗中傷する投稿をしても、炎上する前に即座に削除すれば人々の注目を集めることはない

インターネット上には、新規に投稿された情報を自動収集しているボットが無数に存在しています。
自分の投稿を削除するまでの短い時間でも、新着情報を監視しているボットに投稿内容を取得・閲覧されてしまう可能性は十分にあります。
多くのボットは、収集した情報をボット運営者のサイトでまとめたり再配布していますので、そこから人々の注目を集めてしまう可能性があります。

 

匿名の掲示板サービスを利用したり、匿名のアカウントを使ってさえいれば、どんな発言や画像を投稿してもバレることはない。

そもそもインターネットに匿名性はありません。
すべてのアクセスは、インターネットプロバイダ事業者やサイト運営者のログに保存されており、「誰が」「いつ」「どこから」「どのページを見たか」すべて記録されています。
犯罪や事件に関与している疑いがある場合、警察がこれらの事業者からアクセス履歴を押収して犯人を特定します。

 

クラウド上の画像保存サービスで自分のみが利用できるようにロック設定した画像データは、自分から見せようとしない限り絶対に他人に見られることはない。

クラウド上のサービスが外部から攻撃されてデータ漏洩してしまった事件は枚挙にいとまがありません。
また、第三者に自分のID・パスワードが盗まれたり解析されてしまうと、ロックしたデータも見られてしまいます。
インターネット上には、完璧なセキュリティは存在しません。

 

偶然自分が映りこんでしまった画像がニュース記事でインターネット配信されてしまった。裁判所を通じて該当の事業者に削除申請を行えば、対象の画像をインターネット上から完全に削除できる。

インターネット上には、新規に投稿された情報を自動収集しているボットが無数に存在しています。
これらのボットにより、ニュースに限らずすべてのインターネット上に公開された情報は瞬く間に無数のサイトにコピーされ拡散していきます。
そして、拡散してしまった無数のサイトすべてに削除申請を行うことは事実上不可能です。
したがって、一度配信されてしまったニュース画像をインターネット上から完全に削除することはできません。

 

冒頭の問題を通して、インターネットの怖さをイメージしていただけたことと思います。

インターネットはとても楽しく便利なものですが、同時に非常に恐ろしい面も持っているのです。

さてここからは、インターネットの恐ろしさをより具体的に理解するため、デジタルタトゥーの怖さについて勉強していきましょう。

デジタルタトゥーとは

Wikipediaには以下の説明があります。

デジタルタトゥーは、一旦インターネット上で公開された書き込みや個人情報などが、一度拡散してしまうと、後から消すことが極めて困難であることを、入れ墨(タトゥー)を後から消すことが困難であることに例えた比喩表現である。

要するに、一度インターネット上で公開された情報は絶対に消せない、ということです。

デジタルタトゥーが残ってしまう具体例として下記のようなものがあります。

  • 犯罪ニュース等に自分の実名が載ってしまう
  • 職場などで度を越えた悪ふざけ動画を撮影しSNS等に投稿すること
  • 自分の性的な画像・動画を公開する・されること
  • 自分と反社会勢力との関わりを公開すること
    • など

これらの情報を消せないことがなぜ問題かというと、誰もがいつまでもその情報にアクセスできるからです。

「誰もが」、「いつまでも」アクセスできることは思いのほか恐ろしいことです。

想像してみてください。

自分と一度も会ったこともない赤の他人が、何年も前の自分の黒歴史を知ることができるという状況を。

犯罪を犯してニュース情報が出回ると、その情報を何年経っても検索出来てしまいます。

自分が反省したり謝罪したりしたかどうかは関係なく、いつまでもその情報がインターネット上に残り続けるということです。

このことが直接的な不利益をもたらすのは、就職や結婚をするときが挙げられます。

採用面接官や恋人の家族などが、あなたの名前を気軽にインターネット検索してみたら思いもしなかった悪評がズラっと並ぶわけです。

そんな人を採用したり結婚したりしようとする人は、残念ながらあまりいません。

犯罪を犯しても刑期を終えれば罪を償ったことになりますが、インターネット上の悪評には時効がありませんので、永久にこうした状況が続くことになります。普通の社会生活を営むことすら非常に困難になってしまいます。

一度きりの人生を、ほんのつまらないことで棒に振ってしまわないために、デジタルタトゥーを残さないための方法を学びましょう。

デジタルタトゥーを残さない方法

デジタルタトゥーを100%回避するための唯一の方法は、自分に関するデジタルデータを一切作成せず、あらゆる投稿をしないことです。

しかし、現代社会ではスマホやPCなどのデジタル機器を使わずに生活するのは非現実的ですし、どんなに気を付けていたとしても他人が自分の情報をSNSにアップしてしまったりすることもあります。

ですので、自分に関するデジタルデータを一切残さないことは不可能です。

したがって、デジタルタトゥーを残さないためにできる最良の方法は、

  • 自分に関するデジタルデータを適切に管理する
  • インターネットへの投稿内容が危険かどうか判断する

の2点です。

それぞれ、どのように実践すればよいか見ていきましょう。

自分に関するデジタルデータを適切に管理する方法

私たちの身の回りには、自分に関するデジタルデータがあふれています。

  • スマホに登録した自分の名前や電話番号
  • 写真・動画
  • メッセージアプリやメールアプリでのやり取り履歴
  • ネットショッピングでの購入履歴
  • インターネットの閲覧履歴・操作履歴
    • など

このように、生活の中のあらゆる情報がデジタル化されています。

デジタルタトゥーを残さないために大事なことは、それ1つで致命的な被害を生じうるデジタルデータをはじめから記録しないようにすることです。

特に注意すべきは下記のようなデータです。

  • 他人の財産や社会の共有物を損壊する行為を記録した画像・動画
  • 自分の裸や性的な部分を記録した画像・動画
  • 他人への誹謗中傷やヘイトスピーチを記録した文章・動画
  • 差別的な行為を記録した文章・画像・動画
    • など

これらのデータは、不用意にSNS等に投稿したり、クラウドサービスのデータ漏洩が発生してインターネット上に流出してしまうと、非常に注目を集めやすくデジタルタトゥーとして残ってしまいます。

そもそも、このようなデータを記録する必要性がある場面というのは通常ありません。

ですので、最初からデータとして記録しない・させないようにすることが最も重要です。

危険な投稿内容の判断

はじめに、インターネット上で何らかの投稿をする行為には、かならずある程度の危険性が伴うということを覚えておいてください。

100%安全な投稿というのはありません。

危険な投稿をしないための唯一の方法は、投稿自体を一切しないことです。

それでも投稿をしなければならないという方は、知識として下記の事実をまず知っておいてください。

  • インターネット上に投稿された情報は必ず誰かが見ている
  • インターネット上で秘密を保つことはできない
  • インターネットに匿名性はない

インターネット上に投稿された情報は必ず誰かが見ている

問題がある投稿をしてしまったとき、すぐ消せば安全ということは絶対にありません

インターネット上には新しい投稿を常に監視しているボットが無数に存在しています。自動的に巡回しているこれらの情報収集ボットは、瞬時に自分の投稿内容を発見し取得します。その投稿データは、瞬く間に様々なサイトに拡散してしまい、完全に削除することはできなくなります。

インターネット上に投稿された情報は必ず誰かが見ているのです。

インターネット上で秘密を保つことはできない

投稿の公開範囲を限定したり鍵アカウントで投稿しても、投稿内容を秘密にし続けることはできません。

閲覧権限のある人に悪意があった場合、問題のある投稿をコピーして世界中に公開し直すことができるということを常に頭に置いておいてください。

インターネット上のサービスが外部から攻撃を受けて情報漏洩することはよくあります。サービス全体への攻撃だけでなく、自分のアカウントのパスワードが盗まれて情報が漏れてしまうこともあります。

インターネット上で秘密を保つことはできないことを覚えておいてください。

インターネットに匿名性はない

インターネット上での書き込みを「誰が」「いつ」「どこで」行ったかは、普通にバレます。

匿名アカウントや匿名掲示板サービスを使っても、匿名で行動することはできません。

インターネットに接続するための端末がどこからアクセスしているか、サービス運営者やインターネットプロバイダ事業者はすべて把握しています。

あなたの投稿に犯罪等の恐れが認められる場合、警察がこれらの事業者に掛け合って誰が投稿したかを調べることが可能です。

インターネットに匿名性はないということです。

投稿してはいけない内容の例

こうしたことを踏まえて、投稿する前に投稿内容を吟味してください。

自分の投稿で誰かが損害を被ったり不快な気持ちになれば、その事実が問題として大きく取り上げられる可能性があり、デジタルタトゥーとして残ってしまう恐れがあります。

前節の繰り返しになりますが、一発アウトの下記のデータは絶対にインターネットに投稿してはいけません。

  • 他人の財産や社会の共有物を損壊する行為を記録した画像・動画
  • 自分の裸や性的な部分を記録した画像・動画
  • 他人への誹謗中傷やヘイトスピーチを記録した文章・動画
  • 差別的な行為を記録した文章・画像・動画
    • など

上記に加えて、下記のような他人を不快にする投稿はしてはいけません。

  • 法律に反したり社会通念上好ましくないとされる事柄
  • 学校や会社の規則、またはマナーに反する事柄
  • 人種・性別・国籍などに基づいて誹謗中傷する行為
  • 暴力行為・破壊行為またはそれらを示唆する事柄

調子に乗ったりいい気になってしてしまった行為をインターネット上に投稿することは危険です。

お酒を飲んでいるときの様子をインターネットに投稿することも避けるべきです。

過去の自分の投稿と矛盾する内容を投稿することも避けなければなりません。

実名アカウントを使うときは、注意が必要です。

個人情報を含む投稿はしないようにしましょう。

社会人や有名人であれば、自分の立場をわきまえた投稿をしなければなりません。

立場と投稿内容に乖離があるときは、特に慎重になるべきです。

架空のたとえ話ですが、子どもを教育すべき立場である教師が「子どもの教育レベルが下がっているのは教師が問題ではなく、子供自身とその親に原因がある」などの発言をするような場合、その立場でその内容を投稿するべきか慎重に吟味する必要があります。

その投稿が本当に必要なのかを何度も考えたうえで、どんな人に対しても誤解を与えない表現であるかを繰り返し確認してから投稿するようにしてください。

まとめ

デジタルタトゥーの怖さを知り、危険なデータを残さない・投稿しないことを徹底しましょう。

自分だけが注意するのでは不十分で、他人に対しても自分に関するデータを正しく取り扱うように求めましょう。

自分が他人のデータを扱うときも同様に注意を払いましょう。